なぜDDoS攻撃が起こる?目的や種類、対策方法をわかりやすく解説

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    なぜDDoS攻撃が起こる?目的や種類、対策方法をわかりやすく解説
    作成日時 25/04/15 (08:46) View 246



    DDoS攻撃とは、多数のコンピューターを使って特定のサーバーやネットワークに過剰なトラフィックを送り込み、サービスを停止させるサイバー攻撃の一種です。

    近年、企業のWebサービスが停止すると大きな損失を被ることから、DDoS攻撃はサイバーセキュリティ対策の中でも特に重要なテーマとなっています。

    しかし、多くの人が「DDoS攻撃=サーバーが落ちるもの」と単純に考えがちです。実際には攻撃の手法も目的も多様化しており、単なるシステム障害ではなく、ビジネスへの直接的な脅威となることが増えています。

     

    本記事では、DDoS攻撃の基本的な仕組みや目的、代表的な攻撃手法、そして具体的な対策方法について解説します。この記事を読むことで、DDoS攻撃の脅威を正しく理解し、自社のWebサービスを守るための基礎知識を身につけていただけます。

    ●DDoS攻撃とは

    DDoS(分散型サービス妨害攻撃:Distributed Denial of Service)とは、特定のサーバーやネットワークに大量のリクエストを送り、処理能力を超えさせてシステムを停止させる攻撃です。単独ではなく複数のコンピューターやデバイスが関与するという特徴があります。

     

    攻撃者は、「ボットネット」と呼ばれる感染したコンピューター群を利用し、標的のサーバーに一斉にアクセスを試みます。その結果、ネットワーク帯域が圧迫され、正規のユーザーがサイトにアクセスできなくなったり、通信速度が極端に低下したりします。

    DDoS攻撃の被害

    DDoS攻撃は深刻な影響を及ぼします。

     

    たとえば、2023年にはGoogleが1秒あたり3,980万リクエストという過去最大規模のDDoS攻撃を受けたことが報じられました。この規模の攻撃を受けた場合、対策を講じていなければ、サービスが完全に停止する恐れがあります。

     

    DDoS攻撃による被害には、次のようなものがあります。

     

       サービス停止による売上損失

    ECサイトやSaaSビジネスでは、サイトのダウンが直接的な収益損失につながります。

     

       ブランドの信用低下

    サービスの信頼性が損なわれると、顧客離れや企業イメージの低下を招きます。

     

       法的リスクの増加

    サービスの停止が契約違反にあたる場合、顧客やパートナー企業から訴訟を起こされる可能性があります。

     

    これらのリスクを避けるには、DDoS攻撃の仕組みを理解し、適切な対策が不可欠です。

     

    ●DDoS攻撃はなぜ発生するのか?

    DDoS攻撃の根本的な仕組みは、「ターゲットとなるサーバーやネットワークに過剰な負荷をかけ、正常な通信を阻害すること」です。そのために、攻撃者は主に以下の2つの方法を利用します。 

    トラフィック型攻撃

    このタイプの攻撃は、標的のサーバーやネットワークに対して、大量のデータを送信することで帯域幅を占有し、正規のユーザーがアクセスできない状態にします。特に、ボットネットを利用して数百万台規模のデバイスから一斉にリクエストを送信することで、極めて大規模な攻撃を実現します。 

    アプリケーション層攻撃

    トラフィック型攻撃とは異なり、アプリケーション層攻撃はWebサーバーの処理能力を限界まで使い果たすことを目的としています。たとえば、通常は1秒間に数件のリクエストしか処理しないフォーム送信機能に対して、1秒間に何千件ものリクエストを送り続けることで、サーバーをダウンさせる手法です。

     

    ●DDoS攻撃はなぜ、どのような目的で行われるのか?

    DDoS攻撃は、単なる悪戯や愉快犯によるものだけではありません。近年では、金銭目的や競争企業の妨害、政治的・社会的な意図を持つものまで、その動機は多岐にわたります。

     

    ここでは、主なDDoS攻撃の目的について詳しく解説します。 

    金銭目的(ランサムDDoS)

    企業を標的としたDDoS攻撃の中でも増加しているのが、ランサムDDoS(RDoS:Ransom Distributed Denial of Service) です。この攻撃では、企業のサーバーを狙ってDDoS攻撃を仕掛け、「攻撃を止める代わりに身代金を支払え」と要求します。

     

    攻撃者は、最初に軽度なDDoS攻撃を行い、ターゲット企業に「これは警告だ」と通告します。そして、支払いに応じなければ、さらに大規模な攻撃を実施するという手口を用いるのです。

     

    近年では、ダークウェブでDDoS攻撃を請け負うサービスも登場し、DDoS攻撃を仕掛けるハードルが下がっています。そのため、大企業だけでなく、中小企業もランサムDDoSの標的になり得るのです。 

    競争相手の妨害

    DDoS攻撃は、競争相手を市場から排除する手段としても使われます。特に、eコマースサイトやオンラインゲーム業界では、競争が激化しており、ライバル企業のサービスを一時的に停止させることで、自社の利益を最大化するという戦略的な攻撃が行われることがあります。

     

    また、アフィリエイトマーケティングの分野でも、「競合サイトを攻撃して検索順位を下げさせる」といった事例が報告されています。企業間競争が激しい業界では、DDoS攻撃が「攻撃的なマーケティング手法」として悪用されるケースが増えているのです。 

    政治的・社会的目的(ハクティビズム)

    ハクティビスト(Hacktivist) と呼ばれる政治的・社会的な目的を持つハッカー集団が、政府機関や大企業にDDoS攻撃を仕掛けるケースもあります。代表的な例が、ハッカー集団「Anonymous(アノニマス)」による攻撃です。

     

    たとえば、2022年のロシア・ウクライナ戦争では、アノニマスがロシア政府のウェブサイトや国営メディアにDDoS攻撃を仕掛け、一時的にアクセス不能にしたことが報じられました。このように、DDoS攻撃は「政治的な抗議活動」の手段としても利用されており、特定の国家、企業、団体への圧力として機能するのです。


    また、環境保護団体や人権団体に賛同するハクティビストが、大企業のウェブサイトを攻撃するケースもあります。企業の環境破壊行為や不正を告発するために、DDoS攻撃を手段として選ぶケースもあり、社会問題と密接に関わる攻撃が増えています。 

    サイバー犯罪者によるテスト攻撃

    一部のDDoS攻撃は、サイバー犯罪者がより大規模な攻撃を実行するためのテストとして行われます。これは、攻撃を仕掛ける前に標的のシステムの脆弱性を調査し、「どの程度の攻撃でダウンするのか」を試す目的で実施されるものです。

     

    たとえば、企業のネットワークセキュリティが強化されているかどうかを試すために、小規模なDDoS攻撃を数回行い、その結果を分析して本格的な攻撃に備えるという手口が使われます。これにより、犯罪者は攻撃成功率を高めることができるのです。

     

    また、DDoS攻撃はフィッシング攻撃やランサムウェア攻撃と組み合わせられることもあります。企業がDDoS攻撃への対応に追われている間に、別の攻撃(マルウェア感染やデータ流出)を仕掛けることで、より大きな被害をもたらすのです。 

    単なる愉快犯(スクリプトキディ)

    最後に、DDoS攻撃の動機として無視できないのが、「愉快犯による攻撃」です。スクリプトキディ(Script Kiddie) と呼ばれる初心者ハッカーが、興味本位でDDoS攻撃を行うケースがあります。

     

    スクリプトキディは、高度な技術を持っていなくても、インターネット上で簡単にDDoS攻撃ツールを入手できます。「ストレステストツール」と称したDDoS攻撃ツールが公開されており、それを使うことで簡単に攻撃を仕掛けられます。

     

    ●主なDDoS攻撃の種類

    DDoS攻撃にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる手法でネットワークやサーバーを圧迫します。攻撃の仕組みを理解すれば、適切な対策を講じられます。ここでは、代表的なDDoS攻撃の種類について解説します。

     

    DNSフラッド攻撃

    DNSフラッド攻撃(DNS Flood)は、DNSサーバーに大量のリクエストを送信し、サーバーに大きな負荷をかける攻撃です。

     

    DNSサーバーは、ドメイン名(例:www.example.com)をIPアドレス(例:192.168.1.1)に変換する役割を持ちますが、攻撃者はこの仕組みを悪用し、膨大なクエリを送ることでサーバーをダウンさせます。 

    この攻撃により、標的のサイトだけでなく、同じDNSサーバーを利用する他のドメインにも影響が及びます。 

    ISP(インターネットサービスプロバイダー)のDNSサーバーが攻撃されると、多くのユーザーがウェブサイトにアクセスできなくなるでしょう。 

    SYNフラッド攻撃・FINフラッド攻撃

    SYNフラッド攻撃(SYN Flood)とFINフラッド攻撃(FIN Flood)は、インターネット上での通信を管理するTCPという仕組みを悪用したサイバー攻撃です。

    SYNフラッド攻撃は、サーバーとの通信を開始するための「SYN」パケットを大量に送りつける攻撃です。本来、通信は「SYN」→「SYN-ACK」→「ACK」という手順で確立されますが、攻撃者は最後の「ACK」を送らずに放置します。

     

    その結果、サーバー側には「未完了の接続」が溜まり続け、処理能力が圧迫されてしまいます。これは、レストランに大量の予約を入れておきながら、誰も来店しない状態を作るようなもので、本当に利用したい人が接続できなくなります。

     

    FINフラッド攻撃は、通信を終了するときに送る「FIN」パケットを大量に送りつけることで、サーバーに過剰な負担をかける攻撃です。特に、適切に設定されていないファイアウォールがあると、攻撃の影響が大きくなり、サービスが遅くなったり停止したりすることがあります。これは、スーパーのレジに大量の客が並びながら、実際には何も買わずに次々と入れ替わるような状況に似ています。

     

    対策としては、サーバーが無駄なリソースを使わないようにする「SYN Cookies」や、同じIPアドレスからの異常な接続を制限する仕組みが有効です。また、適切に設定されたファイアウォールを導入することで、不正な通信を遮断し、攻撃の影響を抑えられます。 

    ACKフラッド攻撃

    ACKフラッド攻撃(ACK Flood)は、TCP通信で使われる「ACK」パケットを大量に送りつけることで、サーバーやネットワーク機器に過剰な負荷をかける攻撃です。SYNフラッド攻撃と似ていますが、ACKフラッド攻撃の目的は主にネットワークの帯域を圧迫し、正常な通信を妨害することです。

     

    この攻撃は、通常の通信の一部に見えるため、ファイアウォールをすり抜けやすく、一般的なDDoS対策だけでは防ぎにくい特徴があります。そのため、異常なパケットを自動検出して遮断できる高度なDDoS対策システムの導入が重要になります。 

    UDPフラッド攻撃

    UDPフラッド攻撃(UDP Flood)は、TCPではなくUDPを悪用したサイバー攻撃です。UDPは通信の確認を行わないため、攻撃者が大量のUDPパケットを送りつけ、サーバーの処理能力を圧迫してネットワークを麻痺させます。

     

    特に、DNSやNTP、SNMPなどのサーバーを悪用する「リフレクション攻撃」(反射型DDoS攻撃)がよく使われます。攻撃者はターゲットのIPアドレスを偽装し、第三者のサーバーに問い合わせを送って大量のレスポンスをターゲットに押し付け、負荷をかけます。

     

    この攻撃には、不要なUDPサービスを無効化し、異常なトラフィックを検出・遮断するフィルタリング設定が有効です。また、DDoS対策ソリューションを導入すれば、攻撃の影響を軽減できます。

     

    ●DDoS攻撃の対策

    DDoS攻撃は企業にとって深刻な脅威ですが、適切な対策を講じれば被害を最小限に抑えられます。ここでは、DDoS攻撃を防ぐための具体的な対策を解説します。 

    トラフィック監視と異常検知の強化

    DDoS攻撃の多くは、通常とは異なる大量のトラフィックを発生させるため、リアルタイムでトラフィックを監視し、異常をすばやく検知する仕組みが重要になります。

     

    以下のような兆候が見られた場合、DDoS攻撃の可能性があります。

     

       短時間で特定のIPアドレスから大量のリクエストが送信される(通常のアクセスパターンと異なる集中攻撃)

       特定の時間帯にアクセスが急増し、通常のトラフィックを大きく超える(不自然なトラフィックの急増)

       TCP/SYNパケットの送信量が通常より極端に多い(SYNフラッド攻撃などの可能性)

     

    これらの異常を早期に検知し、適切に対処することで、攻撃による影響を最小限に抑えられます。そのためには、高度なトラフィック監視ツールやAIを活用した異常検知システムの導入が有効です。 

    WAF(Web Application Firewall)の導入

    WAF(Web Application Firewall)は、WebアプリケーションをDDoS攻撃や不正アクセスから守るセキュリティ対策です。Slow HTTP DoS Attack(サーバーの接続を長時間占有する攻撃)や、ボットを使った大量のリクエストなど、アプリケーション層(L7)を狙う攻撃をブロックします。

     

    WAFを導入することで、通常のファイアウォールでは防ぎにくいWebアプリケーションへの攻撃をフィルタリングし、不正なトラフィックを遮断できます。また、攻撃パターンを学習する機能を持つWAFもあり、新しい攻撃手法にも対応することが可能です。 

    CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の活用

    CDNは、Webサイトのコンテンツを世界中の複数のサーバーに分散し、ユーザーに最適なサーバーから配信する仕組みです。これにより、特定のサーバーに過剰な負荷がかかるのを防ぎ、DDoS攻撃による影響を軽減できます。

     

    CDNを活用すると、攻撃者が特定のサーバーを狙って大量のトラフィックを送信しても、CDNのネットワーク全体で負荷を分散するため、サーバーのダウンを防ぎやすくなります。また、CDNにはキャッシュ機能があり、静的コンテンツ(画像や動画、CSSなど)をユーザーに素早く提供できるため、Webサイトの表示速度向上にも役立ちます。 

    IPアクセス制限の強化

    DDoS攻撃は、特定のIPアドレスや地域から集中的に行われることが多いため、ファイアウォールやルーターでアクセス制限の設定により、攻撃の影響を抑えられます。

     

    具体的な対策として、以下の方法が効果的です。

     

       GeoIPフィルタリング:特定の国や地域からのアクセスを制限し、国外からの攻撃を防ぐ

       ブラックリスト登録:過去に不正アクセスを行ったIPアドレスをリスト化し、自動的にブロック

       レートリミット(Rate Limiting):短時間に大量のリクエストを送るIPアドレスのアクセスを制限し、不審なトラフィックを遮断

     

    また、最新のセキュリティ対策として、「ゼロトラストネットワーク」(すべてのアクセスを逐一検証し、信頼できる通信のみを許可する考え方)が注目されています。これにより、より厳密なアクセス管理が可能になり、DDoS攻撃を含む不正アクセスのリスクを低減できます。 

    不要なサービスの無効化

    DDoS攻撃の中には、使用していないネットワークサービスを悪用するものもあります。そのため、不要なサービスを無効化することで、攻撃のリスクを大幅に減らせます。

     

    特に、以下のサービスが不用意に公開されていると、攻撃の標的になりやすくなります。

     

       DNSサーバー:DNSフラッド攻撃のターゲットになり、サーバーが過負荷に陥る

       NTPサーバー:リフレクション攻撃(DDoS増幅攻撃)に悪用され、大量のトラフィックが発生する

       SNMPサービス:攻撃者がシステム情報を取得し、さらなる攻撃の足がかりにされる可能性がある

     

    これらのサービスが不要であれば、ネットワーク機器やサーバーの設定で無効化することで、攻撃のリスクを最小限に抑えられます。必要な場合でも、適切なアクセス制御を行い、安全性を確保することが重要です

     

    ●DDoS攻撃の目的を理解し、適切な対策を!

    DDoS攻撃は年々巧妙化しており、単なるトラフィック攻撃にとどまらず、ランサムDDoS(身代金目的)、ハクティビズム(政治的・社会的な抗議活動)、競争相手の妨害など、さまざまな目的で実行されています。

     

    攻撃の影響を最小限に抑えるためには、DDoS攻撃の種類や手口を理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。本記事で紹介したように、WAFの導入、CDNの活用、IPアクセス制限、トラフィック監視の強化などを総合的に実施することで、DDoS攻撃による被害を軽減し、安定したサービス運用を実現できます。

     

    また、ダークウェブでは、DDoS攻撃に使われるボットネットや攻撃手法に関する情報、企業の脆弱性情報が売買されており、自社が標的となる可能性が高いです。弊社のダークウェブ監視ツール「StealthMole(ステルスモール)」を活用すれば、攻撃計画や漏えいした企業情報をいち早く検知し、被害を未然に防ぐことが可能です。

     

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