危険度を増したダークウェブ ~企業との接点を断つ~ | |
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作成日時 22/09/14 (13:04) | View 3999 |
ビジネス社会を浸食する闇市場
ダークウェブは、GoogleやYahooのような一般的な検索ページからは、たどり着けないウェブサイトです。通常のインターネット通信とは違うプロトコル(通信方式)で動作し、それに合わせた専用ブラウザがなければ、サイトの閲覧や書き込みはできません。
ダークウェブの特徴は匿名性です。通信時は何台ものノード(中継サーバー)を経由しますが、経路は通信の度にランダムに設定され、それぞれ別の暗号鍵を用いてデータを暗号化。各ノードからは次にデータを渡すノードのアドレスなど、ごく限られた範囲の情報しか見えません。ランダムな経路と幾重もの暗号化を施すことで、サイトから発信元をたどることは、ほぼ不可能とされています。
ダークウェブに使われる代表的な通信方式として、「Tor:The Onion Router(トーア)」が知られています。Torはもともと軍事的な用途で開発され、その後、自由なコミュニケーションに制約がある環境下における通信、例えば、反政府側の活動家やジャーナリストなどの連絡手段、あるいはプライバシーを確実に保護したいときの通信などに活用されてきました。
匿名性の保証という特性は、悪事にも好都合な点は否めません。ダークウェブとTor自体は、違法なものではないのですが、今では犯罪の温床として知られるようになってしまいました。そして悪性が強いダークウェブは年々勢いを増しており、一般企業も無視できない存在になってきたのです。
何でも買える“闇市場のAmazon”
ダークウェブでは、違法、もしくは違法性が高いさまざまな商材がやり取りされています。偽造パスポートや偽造免許証、不正に入手したIDカード、クレジットカード、違法ドラッグ、著作権侵害やアダルトなどの違法コンテンツ、そして銃器など、現実世界の闇市場で取引されるモノの多くは、ここで入手できると考えて良いでしょう。
今のダークウェブの目玉商品は、より多くの買い手が付くデジタルデータです。企業が持つ顧客情報、従業員名簿、メールアドレスなどの個人情報をはじめ、クレジットカード情報、有料サイトのIDとパスワード、OSやアプリケーションのアクティベート(有効化)コード、企業情報システムの管理者ID、脆弱性を残すサーバーのリストなど、その種類は多岐に渡ります。