ダークウェブで「会社名」を検索してみた ~発見される情報と対処法~

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    ダークウェブで「会社名」を検索してみた ~発見される情報と対処法~
    作成日時 25/09/04 (11:09) View 75




    突然ですが想像してみてください。もしあなたの会社の名前やドメインが、インターネットの深淵、ダークウェブに現れたとしたら?

    「まさか、うちの会社に限って」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、残念ながらその可能性はゼロではありません。サイバー攻撃は日々巧妙化し、企業規模を問わず脅威は増大しています。

    この記事では、まるで実際にあなたの会社がダークウェブ上で検索されたかのように、そこで発見されうる情報とその脅威を「自分ごと」として捉えていただくためのシミュレーションを行います。そして、もしもの時に備え、どのような情報が漏洩しうるのか、そしてどのように対処すべきかを具体的に解説していきます。


    ダークウェブとは?

    ダークウェブと聞くと、何か特別な、一般人には関係のない場所だと感じるかもしれません。しかし、その実態を理解することは、自社を守る上で非常に重要です。

    インターネットは大きく分けて、Googleなどの検索エンジンでアクセスできる「サーフェスウェブ」、そして会員制サイトやオンラインバンキングなど、検索エンジンでは直接アクセスできない「ディープウェブ」、さらにその奥に存在する「ダークウェブ」の3層に分かれます。

    ダークウェブは、Tor(トーア)などの特殊なソフトウェアを使用しなければアクセスできない、匿名性の高い領域です。この匿名性ゆえに、違法な取引や情報交換が行われる温床となることが指摘されています。サイバー攻撃者が盗み出した企業の機密情報や個人情報が売買されたり、脅迫メッセージが掲載されたりすることも珍しくありません。


    あなたの会社名がダークウェブに?発見されうる情報とは

    それでは、実際にあなたの会社の名前やドメイン名をダークウェブで検索したと仮定してみましょう。そこで発見されうる情報は、あなたの想像以上に多岐にわたる可能性があります。

     1. 従業員の認証情報

    最も頻繁に見られるのが、従業員のメールアドレスとパスワードの組み合わせです。これは、フィッシング詐欺やマルウェア感染によって流出したもの、あるいは他のサービスで使い回されていたパスワードが漏洩し、それが悪用されているケースが考えられます。これらの認証情報が悪用されれば、社内システムへの不正ログインや、さらなる情報窃取のリスクが高まります。

     2. 顧客データの一部

    もし顧客情報データベースが侵害された場合、顧客の氏名、メールアドレス、電話番号、さらには住所やクレジットカード情報の一部が流出している可能性があります。このような情報は、フィッシング詐欺のターゲットリストとして利用されたり、直接的な金銭的被害に繋がったりする恐れがあります。顧客からの信頼失墜は、企業にとって計り知れない損害となるでしょう。

     3. 技術情報・知的財産

    企業の設計図、製品開発情報、営業戦略、ソースコード、社内文書など、企業の競争優位性に関わる機密情報が流出していることも考えられます。これらが競合他社や悪意ある第三者の手に渡れば、企業のブランドイメージだけでなく、事業そのものに深刻な影響を及ぼす可能性があります。

     4. 脅迫メッセージや企業への誹謗中傷

    ランサムウェア攻撃などによって企業のデータが暗号化された場合、その解除と引き換えに金銭を要求する脅迫メッセージがダークウェブ上に公開されることがあります。また、企業の評判を貶めるための誹謗中傷や、従業員の個人情報が公開されるといったケースも報告されています。これらは企業のレピュテーションに深刻なダメージを与え、事業活動に支障をきたす可能性もあります。

     5. 脆弱性情報

    自社のシステムや製品に存在する未公開の脆弱性情報が、ダークウェブ上で取引されているケースもあります。これは、攻撃者がその脆弱性を悪用してさらなるサイバー攻撃を仕掛けるための足がかりとなるため、非常に危険です。


    ダークウェブモニタリングとOSINTツールの活用

    実際にダークウェブを監視し、自社関連の情報が流出していないかを確認するには、専門的な知識とツールが必要です。しかし、企業としてどのようなアプローチがあるのかを知ることは、セキュリティ対策の第一歩となります。 

    ダークウェブモニタリングサービス

    近年では、多くのセキュリティベンダーがダークウェブモニタリングサービスを提供しています。これらのサービスは、ダークウェブ上のフォーラム、マーケットプレイス、チャットルームなどを常時監視し、企業のブランド名、ドメイン名、IPアドレス、従業員の認証情報などが検出された場合にアラートを発してくれます。専門家が収集した情報を分析し、企業にとっての脅威度を評価してくれるため、自社で監視体制を構築するよりも効率的かつ網羅的な監視が可能です。 

    OSINT(オープンソースインテリジェンス)ツールの活用例

    ダークウェブに直接アクセスせずとも、オープンソースの情報から情報流出の兆候を探るOSINT(オープンソースインテリジェンス)ツールも有効です。

          Have I Been Pwned? (HIBP): これは個人のメールアドレスが過去のデータ侵害で漏洩しているかどうかをチェックできる有名なサービスです。企業は、従業員にこのサービスでのチェックを推奨したり、自社のドメインを登録して、関連するメールアドレスの流出状況を定期的に確認したりすることができます。

          Shodan: インターネットに接続されたデバイスを検索できるツールです。自社のサーバーやIoTデバイスが意図せず外部に公開されていないか、脆弱性を持つデバイスがないかなどを確認できます。

          Google Dorks (高度な検索演算子): Google検索の高度な検索演算子を組み合わせることで、特定のファイルタイプやサイト、キーワードを含む情報を効率的に検索できます。これにより、意図せず公開されている機密情報や、関連企業の公開情報から推測できる自社の情報などを発見できる可能性があります。

    これらのツールはあくまで一例であり、OSINTには多岐にわたる手法が存在します。専門的な知識を持つ人材がこれらのツールを駆使することで、情報流出の予兆を早期に発見し、被害を未然に防ぐことに繋がります。


    自社関連の情報が発見された場合の具体的な対処法

    万が一、自社関連の情報がダークウェブ上で発見された場合、迅速かつ適切な行動が被害を最小限に抑える鍵となります。 

    ステップ1:情報の真偽確認と脅威レベルの評価

    第一に、発見された情報が真実であるか、そしてどの程度の脅威があるのかを慎重に評価する必要があります。

          情報源の確認: どのような場所で情報が発見されたのか、その情報源は信頼できるのかを確認します。

          内容の確認: 流出したとされるデータの内容を精査し、自社のデータと一致するか、どの程度の機密性を持つ情報が含まれているかを確認します。偽情報や古い情報である可能性も考慮に入れる必要があります。

          影響範囲の特定: もし情報が本物であれば、どのシステムから、いつ、どのような経路で漏洩した可能性があるのかを特定します。影響を受ける可能性のある従業員や顧客の範囲も把握します。

    この段階で、ITセキュリティ部門や法務部門と連携し、専門的な知見を活用することが重要です。 

    ステップ2:関連部門への速やかな報告と連携

    情報の真偽が確認され、脅威レベルが高いと判断された場合は、速やかに関係各部門へ報告し、連携体制を確立します。

          経営層への報告: 経営層は、インシデントの全体像を把握し、対策の意思決定を行う必要があります。

          ITセキュリティ部門: 技術的な調査、原因究明、システムの復旧、再発防止策の実施を担当します。

          法務部門: 法令遵守、法的責任の確認、顧客への通知義務の有無などを確認し、必要に応じて法的措置を検討します。

          広報部門: 顧客や取引先、一般社会に対する情報公開の戦略を策定し、適切なタイミングで適切な情報を提供します。 

    ステップ3:パスワードの変更と認証情報の強化

    認証情報が流出していると判断された場合、速やかなパスワードの変更は必須です。

          全従業員への徹底: 流出の可能性があるパスワードだけでなく、関連するシステムやサービスのパスワードも変更するよう、全従業員に指示します。

          多要素認証(MFA)の導入・強化: パスワードだけに依存せず、多要素認証を導入することで、万が一パスワードが漏洩しても不正アクセスを防ぐことが可能になります。これは、情報流出後の対処だけでなく、事前のセキュリティ強化策としても非常に有効です。

          パスワードポリシーの見直し: 定期的なパスワード変更の推奨、複雑なパスワードの設定義務付けなど、パスワードポリシーを強化します。 

    ステップ4:セキュリティ体制の強化と脆弱性の排除

    情報流出が確認された場合、その原因を究明し、セキュリティ体制の抜本的な強化を図る必要があります。

          脆弱性診断の実施: システムやネットワークの脆弱性を特定し、速やかに修正します。

          ログの監視強化: 不審なアクセスや操作を早期に検知できるよう、ログ監視体制を強化します。

          セキュリティソリューションの導入・見直し: エンドポイントセキュリティ、ファイアウォール、IDS/IPS(侵入検知・防御システム)などのセキュリティソリューションが適切に機能しているか確認し、必要に応じて新たなソリューションの導入を検討します。

          従業員へのセキュリティ教育の再徹底: フィッシング詐欺やソーシャルエンジニアリングの手口など、サイバー攻撃に関する最新情報を共有し、従業員のセキュリティ意識を高める教育を定期的に実施します。 

    ステップ5:専門家への相談と協力

    自社だけで対処が難しい場合は、速やかにサイバーセキュリティの専門家や弁護士に相談し、協力を仰ぐことが賢明です。

          インシデントレスポンス専門家: 情報流出の原因究明、被害拡大の防止、復旧支援など、一連のインシデント対応を支援してくれます。

          フォレンジック調査専門家: デジタル証拠の収集・分析を行い、法的な証拠として活用できる形で情報を提供してくれます。

          弁護士: 法的な助言、顧客への通知義務の確認、法的措置の検討など、法務面からのサポートを提供してくれます。

    専門家の知見と経験は、混乱した状況下で的確な判断を下し、被害を最小限に抑える上で不可欠です。


    情報流出後の迅速な行動がいかに被害を抑えるか

    情報が一度流出してしまった場合、それを完全に回収することは極めて困難です。しかし、その後の対応次第で、被害の規模は大きく変わります。

    迅速な行動は、信頼の維持に直結します。情報流出の事実を隠蔽したり、対応を遅らせたりすることは、顧客や取引先からの信頼を著しく損ねるだけでなく、企業の存続そのものを脅かす事態に発展する可能性があります。逆に、迅速かつ透明性のある対応は、たとえ情報流出が発生しても、企業の信頼性を一定程度維持することに繋がります。

    また、被害の拡大を最小限に抑える上でも迅速な行動は不可欠です。例えば、漏洩した認証情報を早期に無効化したり、脆弱性を修正したりすることで、さらなる不正アクセスや攻撃の連鎖を防ぐことができます。

    情報流出は、もはや他人事ではありません。あなたの会社も、いつサイバー攻撃の標的になってもおかしくない時代です。今回のシミュレーションを通じて、ダークウェブの脅威をより身近に感じていただけたでしょうか。


    まとめ:備えあれば憂いなし

    この記事では、あなたの会社名がダークウェブ上で検索されたという仮想的なシナリオを通じて、そこで発見されうる情報の種類、そして万が一情報が流出した際の具体的な対処法について解説しました。

    重要なことは、「備えあれば憂いなし」という言葉に集約されます。

          定期的な監視: ダークウェブモニタリングサービスやOSINTツールを活用し、自社関連の情報が流出していないか定期的に監視する体制を構築しましょう。

          強固なセキュリティ対策: 多要素認証の導入、定期的な脆弱性診断、セキュリティパッチの適用など、技術的なセキュリティ対策を常に最新の状態に保ちましょう。

          従業員教育の徹底: 従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高め、不審なメールやWebサイトに注意するなど、セキュリティの最前線となる意識を持つことが重要です。

          インシデントレスポンス体制の確立: 万が一の事態に備え、情報流出時の対応手順を明確にし、関連部門との連携体制を確立しておくことが不可欠です。

    サイバー攻撃は進化し続けますが、それに立ち向かう企業のセキュリティ対策もまた、進化し続ける必要があります。この記事が、あなたの会社のセキュリティ強化の一助となれば幸いです。



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