サイバー攻撃を受けたらどうなる?よくあるケースと対応手順をわかりやすく解説 | |
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作成日時 24/03/19 (08:40) | View 1695 |
サイバー攻撃の数が増加している現代において、企業はますます巧妙化するサイバー攻撃の脅威に直面しています。完璧な対策は不可能かもしれませんが、適切な対応を行うことで被害を最小限に抑えることが可能です。
しかし、サイバー攻撃を受けた際の対応手順はご存知でしょうか。サイバー攻撃対策はできている一方、被害を受けた際の対応を知っている担当者の方は意外と少ないです。
本記事では、サイバー攻撃の基礎知識から始め、ランサムウェア、不正アクセス、情報漏えい、マルウェア感染など、よくあるサイバー攻撃の種類ごとに被害と対応手順を詳しく解説します。
サイバー攻撃は、コンピューターシステム、ネットワーク、または個人のデバイスに対して意図的に行われる悪意のある行為です。データの盗難や破壊、サービスの中断、不正アクセス、システムの妨害など、さまざまな形態で攻撃が行われます。
サイバー攻撃の被害にあうと、信頼性の低下や大きな経済的損失、プライバシーの侵害など深刻な影響を受けます。それでは、なぜサイバー攻撃の数が増えているのでしょうか。ここからは、その理由を見ていきましょう。
サイバー攻撃が増加している背景
サイバー攻撃が増加している主な原因には、デジタル技術の進化が挙げられます。これにより、攻撃手法が洗練され、攻撃者が新たなツールやプラットフォームを悪用する機会が増えています。さらに、リモートワークの普及が加速し、従業員のオンライン活動が増加することで、攻撃の機会が拡大しているのです。
企業のITインフラや個人のデバイスが複雑化する中で、セキュリティの脆弱性が露呈し、攻撃者にとって有利な状況が生まれています。2024年のサイバー攻撃トレンドの中で顕著なのは、生成AI技術を利用したディープフェイクの悪用です。
これにより、ソーシャルエンジニアリング攻撃がより巧妙になっています。このような攻撃は、特にビジネスメール詐欺(BEC)やフィッシング詐欺において、攻撃者のなりすましのレベルを格段に高め、初期侵入をより容易にしています。また、クラウド環境に対する攻撃も増加の傾向にあり、これはクラウド技術の普及とそれに伴うセキュリティの課題から生じています。
サイバー攻撃はさまざまな形で発生し、被害の程度も異なります。以下では、一般的なサイバー攻撃の種類とその影響、対応法について解説します。
ランサムウェアは、被害者のデータを暗号化し、復号のための身代金を要求するマルウェアです。攻撃者は、感染したデバイスのアクセスを遮断し、企業の業務を停止させることができます。
ランサムウェア攻撃は、サイバー犯罪の中でも特に悪質で、感染した場合の対応は非常に緊急かつ複雑です。感染した際の基本的な対応手順は以下の通りです。
再起動や身代金の支払いに関しては、特に注意が必要です。再起動するとランサムウェアの暗号化が進行する可能性があるため、感染が疑われる場合は再起動を避けましょう。
また、身代金を支払ってもデータが復旧する保証はありません。実際に身代金を支払った企業の31%がデータ復元に失敗していることを示した調査があります。
ランサムウェア攻撃に適切に対応するためには、事前のセキュリティ対策が重要です。不審なメールやリンクを開かない、セキュリティソフトウェアを最新の状態に保つ、定期的なバックアップを行うなど、基本的なセキュリティ対策を徹底することが、攻撃のリスクを低減します。
不正アクセスは、許可されていない者がシステムやネットワークに侵入する行為です。不正アクセス被害にあった場合、さまざまな深刻な問題が発生する可能性があります。
代表的な被害は、取引先や機密情報の漏えい、データやWebサイトの改ざん、さらにはなりすましによるウイルス拡散などです。これらの被害は、企業の信頼低下や株価下落、さらには企業イメージの低下も引き起こします。
不正アクセスが発覚した場合には、迅速な対応が求められます。まず、被害拡大防止のためにシステムを隔離し、パスワードを変更することが重要です。また、不正アクセスの証拠を保管し、適切な時期に報告をする必要もあります。2022年4月1日に施行された個人情報保護法改正では、データ漏えいに対する罰則が強化されており、企業は適切な報告義務を果たす必要があります。
さらに、専門の調査会社にフォレンジック調査を依頼し、被害の全容を解明することが重要です。
情報漏えいをした
情報漏えいは、機密データが外部に不正に公開される事態を指します。主な情報漏えいの原因には、セキュリティの脆弱性によるハッキング攻撃、社内の不正行為、データ紛失などが挙げられます。これらの漏えいは、不正アクセス、詐欺、金銭的損失、名誉毀損、プライバシー侵害など、さまざまなリスクを引き起こす可能性があります。
情報漏えいが発生した場合、企業は個人情報保護法に基づいて、関係当局への報告や被害の範囲を明らかにするなど、法的義務を果たさなければなりません。また、フォレンジック調査の専門家と提携し、攻撃者の侵入方法や漏えいした情報を特定することが効果的です。これらの対策は、将来の攻撃を防ぐためにも重要な役割を果たします。
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マルウェアは、システムに悪意のあるソフトウェアを侵入させ、データの破壊、機密情報の抜き取り、スパムメールの発信などを行うことです。たとえば、マルウェアによりパソコン内のデータが破壊されたり、攻撃者が管理者権限を乗っ取ることでファイルサーバーやデータベースサーバー上のデータを破壊したりすることがあります。
また、メールアカウントやメールサーバーが不正操作され、スパムメールを大量発信する踏み台となることもあります。
マルウェアには、コンピュータウイルス、ワーム、トロイの木馬などの種類があり、それぞれ異なる特徴と感染方法を持っています。コンピュータウイルスは他のファイルに寄生して増殖し、ワームは自己増殖して他のシステムに拡散、トロイの木馬は有用なソフトなどを装いながら悪意のある行動を実行します。
マルウェア感染の主な経路には、標的型メール攻撃、外部メモリーからの感染、ファイル共有などさまざまです。マルウェアに感染した場合の対処法としては、ネットワークを切断して端末を隔離し、ウイルス対策ソフトを用いて駆除する、最終手段として端末を初期化するなどが挙げられます。これらの対処法は、感染を早期に発見し、被害を最小限に抑えるために重要です。
サイバー攻撃に直面した際の基本的な対応手順は、攻撃の種類に関わらず一貫しています。ここからは、サイバー攻撃を受けた場合の基本的な対応手順について解説します。
まず、サイバー攻撃が実際に発生したことを確認します。異常なネットワーク活動、システムの遅延やクラッシュ、予期せぬデータの変更や消失などが攻撃の兆候です。
確認後、直ちに攻撃を受けたシステムやネットワークを隔離し、さらなる被害の拡大を防ぎましょう。また、組織内の関連部門や担当者に速やかに通知し、対応チームを編成することが重要です。
どのシステムやデータが影響を受けたか、攻撃者がアクセスしたかもしれない機密情報の特定など、攻撃の影響範囲を特定します。また、攻撃が社内の他の部分に拡大していないか、外部のパートナーや顧客に影響を与えていないかも確認します。
サイバーセキュリティ専門家や法的アドバイザーなどの専門家に相談し、攻撃の詳細な調査と対応策を策定します。具体的には、攻撃方法の解析、被害の全容の把握、対応策の実行、さらなる攻撃を防ぐためのセキュリティ強化策などです。
攻撃による影響を最小限に抑え、通常業務への復旧を図ります。これには、被害を受けたデータの復元、影響を受けたシステムの再構築、バックアップからのデータの復旧などが含まれます。
情報漏えいが疑われる場合、ダークウェブを監視します。ダークウェブとは、匿名性が極めて高いインターネットの隠れた部分であり、サイバー犯罪者はここで盗んだ機密情報やサイバー攻撃の売買を行います。
サイバー攻撃を受けた場合、ダークウェブに自社情報が流出している可能性が高いです。そのため、専門家に依頼をしてダークウェブ調査を行い、自社情報の流出状況を確認しましょう。これにより、さらなる被害の拡大を防ぎます。
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サイバー攻撃を受けない対策も重要ですが、日進月歩で高度化するサイバー攻撃の前では、被害を受ける前提で適切な対策をしなければいけません。サイバー攻撃を受けたら、まずは迅速な被害状況の確認が必要です。その後、攻撃を受けた端末やネットワークを隔離して、被害の拡大を抑えましょう。
この対策に加え、ダークウェブ監視の重要性も忘れてはなりません。ダークウェブは、漏えいした情報が売買される場であり、攻撃者が次の標的を探す場所でもあります。ダークウェブでの活動を監視することで、漏えい情報の流通や潜在的な脅威を早期に発見し、より迅速かつ効果的な対策を講じることが可能になります。
弊社は無料でダークウェブ調査を実施しています。この調査に申し込んでいただくことで、自社情報がダークウェブに流通していないか、または攻撃者の標的になっていないかを確認し、リスクを未然に防ぐことができるのです。ぜひこの機会を利用して、ダークウェブ監視を試してみてください。