情報漏洩はどう防ぐ? 企業が行うべき対策とは | |
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作成日時 23/09/12 (09:37) | View 1548 |
●企業からの情報漏洩発生状況
企業の情報漏洩は、近年増加傾向にあります。東京商工リサーチの調査によると、2022年に上場企業とその子会社で発生した個人情報漏えい・紛失事故は、165件で、漏えい・紛失した個人情報は592万7,057人分でした。これは、前年比で3.0%増加しているということになります。
漏えい・紛失事故 発生推移
出典:東京商工リサーチ
●情報漏洩による悪影響
情報漏洩は、企業にとって重大な問題です。情報漏洩が起こると、企業は以下のようにさまざまな悪影響を被る可能性があります。
・経済的な損失
情報漏洩によって、企業は経済的な損失を被る可能性があります。個人情報の漏洩の場合、顧客や取引先からの信頼が失われ、売上や利益の減少につながることがあります。また、損害賠償の支払いも必要になる場合があり、大きな負担となります。
・社会的信用の低下
情報漏洩は、企業の社会的信用の低下にもつながります。情報漏洩のニュースは、マスコミで大きく取り上げられることが多いため、企業のブランドイメージが大きく損なわれます。その結果、顧客や取引先からの敬遠を招き、事業の継続に支障をきたす可能性があります。
・業務の混乱
情報漏洩が発生すると、企業は情報漏洩の対応に追われます。対応には多大な時間と労力を要するため、通常の業務が滞り、生産性の低下や機会損失につながるでしょう。
・人材の流出
情報漏洩は、企業の人材流出にもつながる可能性があります。情報漏洩は、企業の経営体制や情報セキュリティ対策に疑問を抱かせるため、優秀な人材が離職する可能性があります。
情報漏洩は、企業にとって致命的なダメージとなる可能性があります。企業は、情報漏洩を未然に防ぐための対策を講じる必要があります。
●なぜ情報漏洩はなくならない?
企業からの情報漏洩がなくならない理由は、主に以下の3つが挙げられます。
・情報の価値の高まり
情報漏洩の被害は、個人情報の流出による信用失墜や金銭被害、企業秘密の流出による競争力の低下など、多岐にわたります。そのため、情報の価値は高まっており、情報漏洩を狙う攻撃者は増加しています。
・攻撃技術の高度化
攻撃技術は日々進化しており、従来のセキュリティ対策では防ぎきれない攻撃が増えています。例えば、ランサムウェアやマルウェアなどのサイバー攻撃は、企業のシステムやネットワークに侵入して情報を盗み出すだけでなく、それを暗号化して人質にして身代金を要求するなど、従来の攻撃とは異なる脅威となっています。
・情報漏洩に対する意識が低い
情報漏洩の原因の約半数は、人的なミスによるものです。例えば、パスワードの使いまわしや、USBメモリなどの媒体の紛失など、誰もが犯してしまいそうなミスによって情報漏洩が起こるケースがあります。
●情報漏洩が起きてしまったら?
情報漏洩が起きてしまっても、まずは落ち着いて行動することが大切です。被害を最小限に抑えるために、以下の手順に沿って対応しましょう。
1.情報漏洩の確認
まずは、情報漏洩の状況について速やかに確認します。漏洩した情報の種類、量、影響範囲などを把握し、必要に応じて関係者への連絡や情報収集を行います。
2.原因の調査
情報漏洩の原因を調査し、再発防止策を検討します。原因の特定が難しい場合は、専門の企業に調査を依頼することも良い方法です。
3.被害の拡大防止
漏洩した情報が不正に使用されないよう、被害の拡大を防止します。漏洩した情報の削除依頼や、パスワードの変更、セキュリティ対策の強化などを実施します。
4.関係者への通知
漏洩した情報に含まれる個人情報の当事者や、取引先など関係者への通知を行います。被害の可能性や対策方法などを説明し、謝罪、および注意喚起を行います。
5.監督官庁への報告
漏洩した情報に個人情報が含まれる場合は、個人情報保護委員会へ報告します。
6.再発防止策の実施
情報漏洩の原因を踏まえて、再発防止策を実施します。セキュリティ対策の強化や、従業員教育の実施など、必要な対策を講じます。
情報漏洩は、企業の社会的信用やイメージの低下、顧客離れや取引停止、株価下落などの被害につながる可能性があります。企業は、情報漏洩が発生した後の対応を迅速かつ適切に行うことで、二次被害を抑制し、信頼回復に努める必要があります。
●情報漏洩の効果的な対策方法は?
情報漏洩の効果的な対策方法は、大きく分けて以下の3つです。
技術的対策
ネットワークやシステムのセキュリティを強化する対策です。ファイアウォールやIDS/IPSなどのセキュリティ製品を導入して、外部からの不正アクセスを防ぐほか、データ暗号化やアクセス制御などによって、情報の漏洩を防ぎます。
人的対策
従業員のセキュリティ意識を高める対策です。定期的なセキュリティ教育や啓蒙活動を実施して、従業員が情報漏洩のリスクを理解し、適切な行動をとれるようにしましょう。
運用的対策
情報の取り扱いに関するルールや運用を整備する対策です。機密情報の持ち出しや廃棄に関するルールを明確にし、適切に運用することが重要です。
これらの対策を組み合わせることで、効果的な情報漏洩対策を実現することができます。
具体的な対策例としては、以下のようなものが挙げられます。
技術的対策
・ファイアウォール、IDS/IPS、アンチウイルスソフトの導入
・データ暗号化の採用
・アクセス制御の強化
・ログ管理の徹底
人的対策
・セキュリティ教育の実施
・情報セキュリティに関する啓蒙活動
・セキュリティポリシーの策定
運用的対策
・機密情報の持ち出し・持ち込みの制限
・機密情報の廃棄方法の明確化
・バックアップの徹底
●まとめ
企業から漏洩した情報はダークウェブに流出する可能性が高いです。ダークウェブは、一般的な検索エンジンでは検索できない匿名性の高いインターネット空間で、犯罪者が漏洩した情報を匿名で売買できる場所として知られています。
そのため、情報漏洩の兆候をいち早く検知し、迅速に対応できるようにしておくことも重要です。ダークウェブへの情報漏洩検知サービスやインシデント対応体制を整備しておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
情報漏洩は、企業にとって大きな損失をもたらすリスクがあります。効果的な対策を実施して、情報漏洩を未然に防ぎましょう。
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