サイバーレジリエンスとSBOMの関係性と導入手順

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    サイバーレジリエンスとSBOMの関係性と導入手順
    作成日時 24/09/18 (08:23) View 47



    サイバー攻撃がますます巧妙化する現代、企業のサイバーレジリエンス強化は不可欠です。しかし、その具体的な方法となると、多くの企業は手探り状態なのではないでしょう。そこで注目を集めているのが、SBOM(ソフトウェア部品表)です。
     
    SBOMは、ソフトウェアの構成要素を明確にし、脆弱性の早期発見と対策を可能にします。本記事では、サイバーレジリエンスとSBOMの密接な関係性を解説し、効果的な導入手順をわかりやすく紹介します。


    サイバーレジリエンスとSBOMの定義と関係性
    まずはサイバーレジリエンスとSBOMの定義、および両概念の関係性について見ていきましょう。

    サイバーレジリエンスとは
    サイバーレジリエンスとは、組織がサイバー攻撃や障害から迅速に回復し、事業を継続する能力です。単なる防御策を超えて、攻撃を受けた際の対応力や回復力を含む包括的なアプローチを意味します。
     
    サイバーレジリエンスの重要性は、年々増加するサイバー攻撃の脅威によってますます高まっています。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の調査によると、2022年におけるサイバー攻撃関連通信は合計5,226億パケットに達しており、その脅威は年々増大しています。このような状況下で、サイバーレジリエンスの強化は事業存続にとって不可欠となっています。
     
    サイバーレジリエンスの構成要素は以下のとおりです。

      1.予防:潜在的な脅威を特定し、防御策を講じる能力

      2.検知:サイバー攻撃や異常を迅速に発見する能力

      3.対応:攻撃や障害に効果的に対処する能力

      4.回復:システムや業務を迅速に正常な状態に戻す能力

      5.適応:経験から学び、将来の脅威に備えて継続的に改善する能力
     
    サイバー攻撃の進化スピードはすさまじく、最新のセキュリティ対策をしても確実に防げる保証はありません。だからこそ、サイバー攻撃の被害を抑えるサイバーレジリエンスの強化が必須となっています。

    SBOMとは
    SBOM(Software Bill of Materials)は、ソフトウェアに使用されているすべてのコンポーネントを一覧化したものです。これは食品の成分表や製造業における部品表に例えることができます。
     
    米国国立標準技術研究所(NIST)の定義によれば、SBOMは「ソフトウェア製品に含まれるコンポーネントの正式な記録」とされています。SBOMには、以下のような情報が含まれます:
     
       コンポーネントの名称
       バージョン情報
       ライセンス情報
       依存関係
       開発者や供給元の情報
       コンポーネントの機能や役割の説明
     
    SBOMの重要性は、ソフトウェアの複雑化と共に増大しています。特にオープンソースの普及により、多くの商用アプリケーションやソフトウェアがオープンソースコンポーネントを使用している状況です。このような状況下で、SBOMはソフトウェアの透明性を確保し、潜在的なリスクを管理するための重要なツールとなっています。


     
    サイバーレジリエンスにおけるSBOMの重要性
    SBOMはサイバーレジリエンスを高めるツールです。ここでは、サイバーレジリエンスにおけるSBOMの重要性を見ていきましょう。
     
    脆弱性の迅速な特定と対応
    SBOMを活用することで、使用しているソフトウェアコンポーネントの脆弱性を迅速かつ正確に特定できます。新たな脆弱性が発見された際には、影響を受けるシステムを即座に把握し、適切な対策を講じられるためです。
     
    この重要性は、近年の大規模な脆弱性事例からも明らかです。例えば、2021年に発生したLog4jの脆弱性は、世界中の多くの企業に影響を及ぼしました。このような事例では、脆弱性の迅速な特定と対応が被害を最小限に抑える鍵となります。多くのサイバー攻撃は脆弱性を利用して行われるため、脆弱性の迅速な解消が求められます。
     
    しかし、現代のソフトウェアは多様なコンポーネントで構成されているため、脆弱性の特定は容易ではありません。ここでSBOMの導入が重要となります。SBOMを活用すれば、すべてのソフトウェアコンポーネントを詳細に把握でき、見落としのない脆弱性チェックが可能となります。さらに、脆弱性の深刻度と影響範囲に基づいて対応の優先順位を決定することも可能です。
     
    サプライチェーンリスクの管理
    ガートナー社の予測によると、2025年までに全世界の組織の45%がソフトウェア・サプライチェーンに対する攻撃を経験し、その割合は2021年から3倍に増加すると言われています。このようなリスクの増大に対処するため、SBOMの導入はますます重要な役割を果たします。
     
    まず、SBOMを通じてソフトウェアに組み込まれているサードパーティ製コンポーネントを特定することが可能です。これにより、各コンポーネントに関連する脆弱性情報やベンダーのセキュリティ対策状況を把握し、リスクを適切に評価できます。例えば、特定のコンポーネントに脆弱性が見つかった場合、その影響を即座に評価し、迅速に対策を講じられます。
     
    さらに、SBOMを活用すれば、サプライチェーン攻撃の兆候を早期に発見することも可能です。ソフトウェアの構成変更を継続的に監視し、不正な改ざんや悪意のあるコンポーネントの混入を検知できるでしょう。例えば、定期的なSBOMの更新と監視を行うことで、通常とは異なる変更をすぐに察知し、対処できます。
     
    万が一、サプライチェーン攻撃が発生した場合でも、SBOMを参照することで影響を受けるソフトウェアや関連するベンダーを迅速に特定できます。これにより、被害の拡大を防ぎ、速やかな対応が可能となります。
     
    コンプライアンス対応の強化
    現在、コンプライアンス要件の厳格化は世界的な潮流となっています。米国政府が2021年に発行した大統領令では、連邦政府向けソフトウェアにSBOMの提供を義務付けています。この動きは民間セクターにも波及し、企業がSBOMを導入することで法令遵守を確実にする動きが広がっています。
     
    また、EUのサイバーレジリエンス法案でも、重要インフラ事業者に対してSBOMの作成と維持を求める方向で検討が進んでいます。これにより、企業はサプライチェーン全体のセキュリティを強化し、法的リスクを回避することが求められるのです。
     
    SBOMを導入することで、企業は各種コンプライアンス要件を満たしやすくなります。具体的には、SBOMを活用することで使用しているソフトウェアコンポーネントの全容を把握し、各コンポーネントのライセンス状況を管理することが可能です。これにより、ライセンス違反のリスクを低減し、法的な問題を未然に防げます。
     
    さらに、SBOMを活用することで、コンプライアンス監査にも迅速に対応可能。例えば、監査の際に必要となるソフトウェアの情報をSBOMから即座に提供でき、監査対応の効率が向上します。また、SBOMを定期的に更新・管理することで、常に最新のコンプライアンス要件に対応できる体制を整えられるでしょう。

    ソフトウェアの透明性向上
    組織内外のステークホルダーに対して、ソフトウェアの構成を明確に示せるため、セキュリティ監査や第三者評価の際に、透明性の高い情報提供が可能になります。ソフトウェアの透明性を確保すれば、迅速なセキュリティ評価や顧客信頼の獲得、パートナーシップの強化などのメリットを得られるのです。

     
    サイバーレジリエンスを高めるSBOM活用事例
    SBOMを活用して、サイバーレジリエンスを高める具体的な方法を紹介します。

    効果的な脆弱性管理
    SBOMには、ソフトウェアに含まれるオープンソースコンポーネントやライブラリの情報が記載されています。これらの情報を脆弱性データベース(NVDなど)と照合することで、自動スキャンで既知の脆弱性を迅速に特定できます。そのため、脆弱性の特定にかかる時間を短縮し、確実に既知の脆弱性の解消を行えるのです。
     
    また、SBOMを活用して脆弱性の影響範囲を特定することも可能。これにより、重要なシステムに影響する脆弱性を優先的に対処し、セキュリティリスクの低減を実現できます。
     
    ライセンスコンプライアンスの徹底
    近年、オープンソースソフトウェアの活用が進む中、ライセンスコンプライアンスの重要性が高まっています。オープンソースを適切に管理しないと、ライセンス違反による法的リスクや企業の信頼性低下などの問題が発生する可能性があります。
     
    SBOMを使用することで、ライセンス違反のリスクを未然に防ぐことが可能です。結果的に、法的紛争や損害賠償などのリスクを回避し、安定的なビジネス運営を行えます。これは、コンプライアンス経営の観点からも重要な取り組みと言えます。

    サプライチェーンセキュリティの強化
    SBOMは、ソフトウェアのサプライチェーン全体を可視化します。これにより、自社のソフトウェアに組み込まれているサードパーティ製コンポーネントやライブラリを把握できます。サプライチェーンの可視性が高まれば、潜在的なリスクの特定と管理が容易になるでしょう。
     
    また、SBOMに基づいてリスクアセスメントを実施することで、サプライチェーンのセキュリティリスクを定量的に評価できます。リスクの高いサプライヤーやコンポーネントを特定し、優先的に対策を講じることができます。そのため、限られたリソースを効果的に活用しながら、サプライチェーン全体のセキュリティ強化が可能です。
     
    SBOMの導入・作成手順
    SBOMはやみくもに作成するのではなく、体系的に導入・作成をしなければいけません。主な導入手順は以下のとおりです。
     
      1.組織内でのSBOM導入の必要性の理解と合意形成
      2.SBOMツールの選定と導入

      3.対象ソフトウェアの特定と優先順位付け

      4.SBOMの作成と検証

      5.SBOMの継続的な更新とメンテナンス

      6.SBOMデータの活用と組織内プロセスへの統合
     
    SBOMの導入と作成は、一度きりのプロジェクトではなく、継続的な取り組みです。ここで紹介した手順は基本的なフレームワークであり、各組織の特性や目標に応じてカスタマイズする必要があります。重要なのは、SBOMを単なる技術的ツールとしてではなく、組織全体のサイバーレジリエンス戦略の重要な一部として位置づけることです。
     
    SBOMの詳しい導入手順や主なフォーマットについては、別途詳細な解説記事をご用意しております。SBOMの作成と活用の具体的な方法について、より深く理解したい方は、ぜひそちらの記事もご覧ください。


    まとめ
    全ての企業がサイバー攻撃の被害を受ける可能性がある現代において、サイバーレジリエンスの強化は欠かせません。強化方法は多々ありますが、中でも注目を集めているのがSBOMです。SBOMを導入することで、ソフトウェアで使用するコンポーネントがリスト化され、リスク評価や脆弱性の特定などに役立ちます。特にサプライチェーンを構成する製造業、さまざまなシステムを導入する金融業などでは重要です。
     
    さらに、サイバーレジリエンス強化において見逃せないのが、ダークウェブ監視の重要性です。ダークウェブでは、企業の機密情報や顧客データが取引されます。ダークウェブ上の情報を早期に検知すれば、潜在的な脅威を事前に把握し、迅速に対策を講じることができます。
     
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