なぜランサムウェアにサイバーレジリエンスが有効なのか?

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    なぜランサムウェアにサイバーレジリエンスが有効なのか?
    作成日時 24/08/21 (10:29) View 137



    ランサムウェア攻撃が日々進化し、企業の業務を瞬時に麻痺させる可能性が高まる中、単なる防御策では十分ではありません。ランサムウェアによる被害を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、被害を最小限に抑え、迅速に復旧するための能力が企業に求められています。

     

    ここで重要なのが「サイバーレジリエンス」という概念です。

     

    サイバーレジリエンスは、攻撃を受けた後も迅速に回復し、業務を継続できる力を意味します。なぜこのサイバーレジリエンスがランサムウェア対策において有効なのか?その理由を深掘りし、企業がどのようにしてサイバーレジリエンスを強化すべきかを解説します。


    そもそもサイバーレジリエンスとは

    サイバーレジリエンスとは、企業がサイバー攻撃やデータ漏洩などのデジタル脅威に対して、迅速かつ効果的に対応し、業務を継続できる能力を指します。

     

    この概念は、単なる防御策にとどまらず、予防、検知、対応、回復のすべての段階を網羅しており、言わばデジタル世界における企業の「免疫システム」のようなものです。

     

    1.  予防:サイバー攻撃を未然に防ぐための対策

    2.  検知:攻撃や異常を早期に発見するための仕組み

    3.  対応:攻撃を受けた際の迅速かつ適切な処置

    4.  回復:攻撃後のシステムやデータの復旧、事業継続

     

    サイバーレジリエンスの重要性を理解するために、一つの比喩を用いて説明しましょう。

     

    企業をひとつの城に例えると、従来のサイバーセキュリティ対策は、城壁を高くし、堀を深くするようなものでした。しかし、サイバー攻撃の手法が日々進化する現代では、いかに堅固な城壁を築いても、侵入を完全に防ぐことは困難です。

     

    そこで重要となるのがサイバーレジリエンスです。これは、城壁を強化するだけでなく、侵入者を素早く発見するための見張り番を配置し(検知)、侵入を許してしまった場合の緊急対応計画を準備し(対応)、被害を受けた場合でも速やかに復旧できる体制を整える(回復)ことに相当します。

     

    つまり、攻撃を受けることを前提とし、その影響を最小限に抑えつつ、迅速に平常状態に戻る能力を持つことが、サイバーレジリエンスの本質なのです。



    ランサムウェア対策でサイバーレジリエンスが重要な理由

    ランサムウェアは、被害者の重要なファイルやシステムを暗号化し、その解除と引き換えに「ransom(身代金)」を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェア)です。ランサムウェア攻撃は業務の中断、データの喪失、金銭的損失、さらには評判の低下など、深刻な影響をもたらす可能性があります。

     

    ランサムウェア対策においてサイバーレジリエンスが重要な理由は以下のとおりです。

     

      進化の速さと巧妙化

    ランサムウェアは他のサイバー攻撃と比べて、進化のスピードが非常に速いのが特徴です。攻撃者は常に新しい手法を開発し、既存のセキュリティ対策を回避しようとしています。最近では二重恐喝(データの暗号化に加え、機密情報の流出も脅迫材料とする)や、サプライチェーン攻撃(取引先や協力会社を経由して侵入する)など、より高度で複雑な攻撃手法が登場しています。

     

      完全な防御の困難さ

    ランサムウェアの進化速度が速いため、どれだけ高度なセキュリティ対策を講じても、100%の防御は極めて困難です。新種のランサムウェアや未知の脆弱性を利用した攻撃に対しては、従来の予防的セキュリティ対策だけでは十分ではありません。

     

      被害の深刻さと復旧の困難さ

    ランサムウェア攻撃による被害は、単なるデータの暗号化にとどまりません。業務の停止、顧客データの流出、評判の低下など、企業全体に広範囲な影響を及ぼします。さらに、身代金を支払っても確実にデータが復元できる保証はなく、支払うこと自体が更なる攻撃を招く可能性もあります。

     

    これらの理由から、ランサムウェア対策においては、攻撃を完全に防ぐことよりも、攻撃を受けた際の被害を最小限に抑え、迅速に回復する能力、つまりサイバーレジリエンスが極めて重要となります。


    サイバーレジリエンスに基づくランサムウェア対策:予防

    サイバーレジリエンスに基づくランサムウェア対策は、特に予防段階において非常に重要です。予防策を徹底することで、ランサムウェア感染のリスクを大幅に減少させることが可能です。以下に各対策法を説明します。

     

    定期的なソフトウェア更新

    システムやアプリケーションを常に最新の状態に保つことは、既知の脆弱性を修正し、攻撃者がそれらを悪用することを防ぐために不可欠です。ソフトウェアの自動更新機能を有効にしておきましょう。これにより、新しいセキュリティパッチがリリースされた際に自動的に適用され、システムのセキュリティが強化されます。また、手動での更新も忘れずに行うことで、最新の脅威に対する防御策を講じることが可能です。

    メールフィルタリング

    ランサムウェアの多くは、フィッシングメールを介して侵入します。不審なメールや添付ファイルをブロックするためには、スパムフィルターの導入や、添付ファイルの自動スキャン機能の活用が効果的です。これにより、メールを通じた攻撃のリスクを大幅に低減できます。

    従業員教育

    ランサムウェア対策において、従業員のセキュリティ意識を高めることは重要です。従業員に対して継続的なサイバーセキュリティトレーニングを行い、ランサムウェアの手口を理解させることが求められます。特に、不審なリンクや添付ファイルを開かないこと、公共のWi-Fiの使用に注意することなどを徹底しましょう。

     

    多層防御

    ファイアウォール、アンチウイルスソフトウェア、侵入防止システム(IPS)など、複数のセキュリティ層を組み合わせて導入することで、一つの防御策が破られた場合でも、他の防御層が攻撃を防げます。例えば、ネットワークレベルの防御策とエンドポイントレベルの防御策を組み合わせることで、より強固なセキュリティを実現できます。

     

    アクセス制御の強化

    最小権限の原則に基づき、ユーザーに必要最小限のアクセス権限のみを付与することが重要です。これにより、万が一ランサムウェアが侵入しても、被害を最小限に抑えることができます。また、多要素認証(MFA)を導入すれば、不正アクセスのリスクをさらに低減できます。

     

    エンドポイント保護

    すべてのデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)にエンドポイント保護ソフトウェアを導入することも重要です。これにより、各デバイスがランサムウェアに対する防御策を持ち、感染のリスクを低減できます。



    サイバーレジリエンスに基づくランサムウェア対策:検知

    サイバーレジリエンスに基づくランサムウェア対策の検知段階では、感染を早期に発見し、迅速に対応することが求められます。以下に、具体的な対策を説明します。

    侵入検知システム(IDS)

    IDSは、不正アクセスやマルウェアの侵入を検出するためのシステムです。ネットワーク型IDS(NIDS)は、ネットワークトラフィックを監視し、異常なパケットを検出します。一方、ホスト型IDS(HIDS)は、特定のホスト上の活動を監視し、異常なファイル変更やプロセスの実行を検出します。

     

    ハニーポットの設置

    ハニーポットは、攻撃者を引き寄せ、その動きを観察するための囮システムです。攻撃者がハニーポットに侵入すると、その攻撃手法や挙動を詳細に記録します。これにより、新しい攻撃手法を早期に発見し、対策を講じることが可能です。ハニーポットの設置は、企業内部に限らず、外部からの攻撃も監視するために有効です。

    ユーザー行動分析(UBA)

    UBAは、通常のユーザー行動パターンを学習し、異常な行動を検出するシステムです。UBAシステムは、機械学習アルゴリズムを活用してユーザーの行動を分析し、異常な活動をリアルタイムで検出します。これにより、内部者による不正行為や、侵害されたアカウントの早期発見が可能となります。


    サイバーレジリエンスに基づくランサムウェア対策:対応

    ランサムウェアに感染した場合、迅速かつ適切な対応を行うことが被害の最小化につながります。各対策法の詳細を見ていきましょう。

    インシデント対応計画の策定

    ランサムウェア攻撃時の対応手順を事前に策定し、迅速に行動できるように準備することが重要です。計画には以下の要素を含めましょう。

     

       責任者の指定:各部署の責任者や対応チームのリーダーを明確にし、役割と責任を明確化します。

       連絡体制:迅速に情報を共有するための連絡手段を確立し、社内外の連絡先リストを整備します。

       初動対応:感染発覚時にすべき初動対応手順を明示し、システムの隔離やデータのバックアップ確認を迅速に行います。

       外部機関との連携:セキュリティ専門家や法執行機関との連絡手段を事前に確立し、必要時には迅速に協力を求められる体制を整えます。

     

    隔離

    感染したシステムをネットワークから切り離し、被害の拡大を防ぐための対策です。自動隔離機能を持つセキュリティソリューションの導入も検討するとよいでしょう。例えば、次世代ファイアウォールやエンドポイント保護ソリューションは、異常な活動を検出した際に自動的に該当システムを隔離する機能を備えています。これにより、感染の拡大を迅速に食い止めることができます。

     

    フォレンジック調査

    ランサムウェア攻撃の経路や範囲を特定するためのフォレンジック調査を実施します。専門家やツールの活用を検討し、詳細な調査を行うことが求められます。フォレンジック調査では、以下の点に注目してください。

     

       攻撃の経路特定:攻撃者がどのようにしてシステムに侵入したのかを特定します。

       被害範囲の把握:どのデータが暗号化されたのか、どのシステムが影響を受けたのかを明確にします。

       再発防止策の策定:調査結果を基に、今後同様の攻撃を防ぐための対策を講じます。

    コミュニケーション計画

    ランサムウェア攻撃が発生した際、従業員、顧客、メディアなど関係者への適切な情報開示方法を事前に計画しておくことが重要です。正確で透明性のある情報を迅速に提供することで、顧客の信頼を維持できます。



    サイバーレジリエンスに基づくランサムウェア対策: 回復

    ランサムウェア攻撃からの回復は、企業のサイバーレジリエンスを高めるために非常に重要な段階です。回復段階では、システムやデータを迅速かつ効果的に復旧し、通常の業務運営を再開するための対策を講じます。以下に各対策法を詳しく説明します。

     

    バックアップの実施

    重要なデータの定期的なバックアップは、ランサムウェア攻撃からの回復において最も基本的かつ重要な対策です。バックアップ対策においては、3-2-1ルールを導入しましょう。

     

       3つのコピー:重要なデータの3つのコピーを作成します。これにはオリジナルデータと2つのバックアップコピーが含まれます。

       2種類の媒体:バックアップを2種類の異なる媒体に保存します。例えば、ハードディスクとクラウドストレージなどです。

       1つはオフサイト:少なくとも1つのバックアップをオフサイトに保存します。これにより、物理的な災害や攻撃からの保護が可能となります。

     

    この方法を採用することで、データの消失リスクを最小限に抑え、迅速な復旧が可能となります。

     

    ダークウェブ監視

    ランサムウェア攻撃の後には、特にダークウェブ監視が重要となります。攻撃者は、盗み出したデータをダークウェブ上で販売することがよくあるためです。

     

    このような事態を防ぐためには、ダークウェブの動向を常に監視し、不正な取引や情報漏洩の兆候を早期に発見することが必要です。

     

    具体的には、ダークウェブ監視ツールを使用して、関連するキーワードや企業名の検索を行い、違法な活動をリアルタイムで追跡しましょう。また、専門のセキュリティ企業と連携することで、監視の精度と効果を高められます。

     

    早期発見ができれば、被害の拡大を防ぎ、迅速な対応が可能になります。ダークウェブ監視は、単なる予防策ではなく、企業の信頼を守るための不可欠な対策です。


    まとめ

    ランサムウェア攻撃の進化スピードは極めて速いため、どれだけ適切なセキュリティ対策をしても、完璧に防ぐことは困難です。重要なポイントは、被害を最小限に抑え、迅速に復旧するための能力「サイバーレジリエンス」を高めることです。

     

    本記事では、サイバーレジリエンスにもとづいたランサムウェア攻撃対策をご紹介しましたが、特に重要なのがダークウェブ監視です。サイバー犯罪者は、ダークウェブで機密情報やランサムウェアなどの売買をします。つまり、定期的にダークウェブを監視することで、自社の流出状況を把握し、迅速に被害を最小化する対策を講じられます。また、最新のランサムウェア攻撃を把握することも可能です。

     

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